



どんな夢を
見ていましたか?


私は高知県の四万十川が流れる十和村、現在の四万十町で生まれ育った、元気な自然児でした。小学校の頃、父親に「分度器を使って、あの電柱の高さを出してみなさい」と言われました。小さな道具一つで高さを出すことに驚きました。それからは図を描いたり、計算したり、無意識に土木に興味を持つようになりました。あとは土木一本やり!高知高専から大阪のガス工事会社に就職し、10年間、現場監督としてガス工事に従事しました。その間も夢は土木!ダム・トンネル・橋梁などの大きな現場の監督となることでした。 ある時、大阪の社長がかねて知り合いだった美樹工業の創業者の三木社長を紹介して下さり、入社することになりました。思えば、父のおかげで土木と出会い、大阪の社長のご厚意で美樹工業へ。強い思い、そして人との出会いが今の私に繋がっていると思います。


どんな仕事で
スタートしましたか?


30歳を過ぎて美樹工業に入社しました。入社して三木社長に挨拶に伺いました。「岡田と言います、よろしくお願いします」と挨拶したら「おう、頑張れ」でした。眼光鋭く怖かったことを覚えています。 土木の資格を持っていなかったので、資格のあるガス工事の現場監督をさせてもらいました。大阪ガスの指定工事会社として、さまざまな工法を経験し、安全と工事品質の大切さを教えていただきました。昼休みや仕事が終わってからは管・土木・建築の施工管理技士の勉強をし、資格を取得したころ三木社長から突然「営業をするように」と言われました。土木青年としてはショックでしたが、前を向いてやっていかなければと作業服をスーツに変え、営業として奔走しました。今振り返ると必死だったと思います。


三木社長に
教えられたことは?


三木社長に教えられたことは「仕事は信用」ということです。お客様との信頼関係がなかったら仕事はできない。信頼関係を築くために我々は仕事していることを忘れるなと言われました。美樹工業では、経営理念「信用の高揚十ヶ条」という形で今に引き継がれています。 忘れられないのが、私が施主様の名前を間違って手紙を出してしまったことがありました。大きな会社の役員の方で漢字をしっかり確認しなかったのが原因です。お客様より「ちょっと来い。どういうこっちゃ。わしの名前を間違えて」と厳しく怒られました。三木社長のよくご存知の方で、電話が入っていたようですが、この時も「気をつけなあかんぞ」と言われただけでしたが、いまだにその一言に込められた「小さなことをおろそかにすると信用を失うぞ」ということを教えていただいたと思っています。


ビジネス上の
強みは?


平成15年に三木社長が「岡田、下請けの仕事は辞める。これから美樹工業は下請けをしませんと言うて来い」と指示がありました。当時は厳しい受注環境下ではありましたが、それ以降、ゼネコンの下請けはしないという三木イズムは今も引き継がれています。ゼネコンの下請けに慣れてしまうと何よりも「お客様の声が聞こえない」「人が育たない」という環境となります。これでは将来が危ういという三木社長の経営判断だったと思います。 お客様の声は大変重要です。今の美樹工業は「CS(顧客満足)アンケート」を制度化しています。お客様の生の声が直接会社に届くようになっています。お褒め、お願い、指摘、クレーム等々毎日多くの声をいただいています。本当によい教材をいただいています。いただいた項目一つ一つに具体的な改善策を実施し、工事品質の向上や体制の強化に努めています。そのことにより、組織・人が育ちます。 また、美樹工業は建築・土木・リフォーム・ガス・給排水衛生空調設備・太陽光工事など建設業全般においてお客様の要望に応えられる施工体制と対応力が確立されています。


どんなところに
ありますか?


建設業界では現場の施工管理をするためには国家資格が必要です。美樹工業では工事担当者以外の営業・事務の社員にも資格取得を奨励しています。資格を取得すれば資格手当が支給されますが、それ以上に基本的な知識や技術を学ぶことで、仕事の理解度が深まります。 仕事に誇りを持つこと。お客様のご要望以上の提案ができること。信頼される嬉しさ。仕事を通じて得られる楽しさを知ってください。 私も58歳で宅地建物取引士を受験しました。覚えることや理解しなくてはいけないことが多くありました。記憶力は落ちており、1週間前に覚えたことが1週間経つと3割も覚えておらず、繰り返し繰り返しの勉強で何度か吐きそうになったことがありました。合格通知を受け取ったときは嬉しく、自信になりました。チャレンジすることの大切さを改めて感じることができたように思います。


どんなことを
期待しますか?


若い方には「挑戦する気持ち」を持ち続けてほしい。そして元気に笑顔で挨拶できる社会人になってほしいと思っています。 新入社員の皆さんは「会社のためにがんばります」と言います。私は「会社のためにがんばるのではなく、お客様のためにがんばってほしい」と言っています。お客様に美樹工業を選んでいただき、ご要望以上の製品を納品することで対価をいただくからこそ会社は成り立っています。そのことを忘れないようにしなければなりません。 お客様との繋がりにはコミュニケーションが大切です。今はいろいろな通信手段がありますが、その場面で確実に正確に伝えることで、お客様の信頼・信用ができてきます。お客様の立場を考え、お客様と向き合いそして信頼を得ることが当たり前のようにできる社会人になってほしいと思っています。


どう変わっていきますか?


我々が生活をする上で建設業やガスなどのライフラインはなくなることはありません。 しかし現状の業界はITを含めて自動化、省力化が製造業やほかの産業に比べて非常に遅れています。また建設業に従事している方が高齢化となり、人手不足は慢性化しています。 現場内作業の機械化を進め、少ない人員で現場を施工・管理する時代になってきています。また海外から優秀な人材を確保し、育成していかなければならないと思います。 弊社も他社に先駆け、大型太陽光発電所の建設からため池を利用した水上太陽光発電所や風力発電所の建設など多方面な事業に携わっています。 今後、美樹工業は会社が持つ現場力・企画力・組織力のレベルアップを図り、社会で活躍できる環境作りを進めて参ります。 「高い志」を持つ人材の育成を目指します。
